就労移行を利用する前に〜心の準備編

前回、ベルーフの研修を受けるために必要な体の状態とそのための準備について書きました。
大事なことは、
「家での日常生活が問題なくできている」
起きられて眠れる、十分食べられる、体が動ける、ことでしたね。

この記事では研修を受けるために必要な心の状態について書いていきたいと思います。

一番大事なことは
「自分で働きたいと思っているか?」です!

家族からの期待や、義務感から、働かないといけないから、ということでベルーフに来る方もいますが、義務感だけだと継続が難しいです。
「ほんとうに今働きたいかな?働かなければいけないという義務感だけで、まだ無理と感じる、療養したいと感じて
いるのにやろうとしていないかな?」と自分に問いかけてみてください。
「やっぱりやってみたい」と思うようなら動き時です。

ただ、頭でずっと考えていても仕方ないところがあるので、わからなければやってみるのもひとつの手です。
前回書いた体の状態、それがある程度できていたら、まずはスタートラインに立てます。

ここから先は、ベルーフでの研修が始まってからの内容になりますが、準備のためにお伝えしておきたいと思います。ベルーフでは、「『働く』とは『世の中への役立ちを自分で創ること』」をモットーにしています。
働くことは労働力を提供してお金をもらうことだけでなく、価値を提供して社会とつながることです。職場が期待することができる、ということだけでなく、そこに自分の創造性を発揮できること、ただ言われたことをやる機械のようにならないことが大事です。
そのためには、きちんと自分の思うことが伝えられたり、わからないことを確認できたり、新たな提案をできたりする必要があります。障害があっても、働くことに求められることは変わりませんし、そういう姿勢を学び、十分な訓練の場があったなら、身につけることは可能です。

精神科医としての臨床や企業での経験から思うことは、精神の病気や障害がある方は、就労経験がある方であってもない方でも、色々な困難から自信を失っていることがあります。

就労経験のある方の場合、無理な労働を要請する職場であったり、コミュニケーションがうまくいかなかったりした中でメンタル不調を抱えた場合も多いので、自分の価値や能力を見失ってしまっていたり、どこまで何を主張したり、配慮を求めたりしてよいのかわからなくなっていたりします。
また、学校を出て間もない方では、学校までは与えられた課題をやるということで卒業できても、職場という何をどこまでやったらいいか自分である程度判断しないといけない、正解のない場では、勝手がわからない、ということもよくあります。
ベルーフでは「ビジネスパーソン」という科目で、そういう主体的に働くことの姿勢を身につける研修に力を入れています。この研修の中で、主体的に考え、自信をつけていくことで、みなさん病気の扱い方、危機の乗り越え方も上手になっていきます。

病気がある程度よくなっていたら、今度は自分で考え、心の自信をつけていく必要があります。ベルーフではその練習を色々な課題の中でやっていきます。

やってみたいな、でもできるのかな?と迷ったら、ぜひ見学・体験にいらしてください。やってみることでわかることもたくさんあります。

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