「就労準備」カテゴリーアーカイブ

つらさの乗りこえかた

就労に向けて生活を整えたとき、通所を始めたとき、研修が新しい段階に入ったとき、つらさや苦しさが噴き出してくることがあります。

これはある意味当然で、今までの自分の在り方を変えたいと思って新しい挑戦をしたときは、ある程度つらくなったり無理がかかるのは自然なことです。
これを「悪化」と勘違いしないことがすごく大切だと思うようになりました。

(やっぱりだめだった・・・)とか
(まだ早かったのかも・・・)とか
(病気が悪くなったんじゃないか・・・)とか
思ったりします。
お医者さんや家族に相談すると、「無理しなくていいんだよ」と言われ、「やっぱり無理なのかな・・・」とと思って、自信をなくしてしまったり。。。

精神医療に関わる医療者や、福祉の支援者は「無理をさせない」ことを大事にしがちです。私もかつてはそうでした。無理をしてせっかく安定した状態が崩れてしまうことが怖いからです。
ですが、自分の生活や取り組むことを変えたり、新しい挑戦をしたりするときには必ず何かの「無理」が伴います。
その「無理」や、噴き出してくる苦しさつらさを、乗り越えられるくらいの小ささにおさめられるように工夫することが大事です。
決して、「無理をしない」「つらさをゼロにする」ことではないと思います。
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就労移行を利用する前に〜心の準備編

前回、ベルーフの研修を受けるために必要な体の状態とそのための準備について書きました。
大事なことは、
「家での日常生活が問題なくできている」
起きられて眠れる、十分食べられる、体が動ける、ことでしたね。

この記事では研修を受けるために必要な心の状態について書いていきたいと思います。

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就労移行を利用する前に〜体の準備編

ベルーフで、あるいは他の就労移行支援を利用する場合でも、就労のための研修を受けるためには、こういう状態になっていることが必要です、ということを書いていきます。

皆さんが気になること、それは「自分は就労できるのかな?それともまだ早いのかな?」ということではないでしょうか。
精神科の医師として、お伝えしたいことがたくさんありますが、「まだ早いかな」か、「これならいける」か、最初の段階で実はかなり分かります。

まずとにかく、何より何より大事なことは、
「家での日常生活が問題なくできている」
ことに尽きます!
つまり、起きられて眠れる、十分食べられる、体が動ける、ことです。

働くということは、自分の価値を社会のために、提供できるということ。
それにはまず、自分自身の生活の、足元がしっかりしている必要があります。
特に、食べる、寝る、動く、の3つは生命の基本。
3食、バランスよくきちんと取れていますか?人によっては2食だったりするかもしれませんが、自分の活動に必要な食べ方が分かっていて、できていますか?
きちんと眠れて、次の日の予定に間に合うように起きられますか?昼間眠くならないでしょうか。
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病気や障害の中にある力

このウェブサイトを見てくださり、ありがとうございます。茗荷谷の就労移行支援事業所ベルーフで利用者の皆さんのカウンセリングをしている精神科医の塚原です。
このブログでは、ベルーフを含めた就労移行支援を利用したいと思っている当事者の皆さん、当事者のご家族、支援に関わる方、企業の方々へお伝えしたいことを書いていこうと思います。

ベルーフでは利用者の方の精神疾患や障害を限定していないので、背景や個性がさまざまな人達が研修をしています。確かに、苦手なことが多かったり、「普通は考えずにできること」が難しかったりするかもしれませんが、でも利用者さんたちが自分にある能力、得意なことや好きなことを再発見したり、あるいは伸ばす機会がなく眠っていた力を伸ばしていく場面を見ると、障害と呼ばれるものはいったいなんなんだろうと考えたりします。
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